ほぼ日手帳からの卒業 11:52
ほぼ日手帳、誰もが一度は欲しいと思うのではないか。
私もその一人で、カバーの可愛さ、紙や製本のこだわりに憧れつつ、セットで買うとなかなかお高いのでいつもLOFTで指をくわえて見ていた。
初めてほぼ日手帳を買ったのは確か社会人になる直前。500円玉貯金で貯めたお金を使って買った。下敷きやカバーの色に合わせたペンも一緒に買って、ワクワクしながらお店を後にしたのを覚えている。
毎日の予定やtodoリストはもちろん、行きたいところ、欲しいものや仕事のメモ、何でも書いていた。1日ごとのページに小さい字で日記をつけていた期間もある。
忘れられないのは、新卒で入社した部署にほぼ日を使っている先輩がいて、それをきっかけに話せるようになったことだ。
数年オリジナルサイズを使った。気に入っていたカバーもさすがに少し色褪せてきた。
丈夫なのでまだまだ使えそうではあったが、オリジナルは厚みもあって持ち歩くにはかさばるし、仕事中に見たいページを探す手間を煩わしく感じることも増え、weeksタイプに移行した。
日記のように毎日みっちり書き込む使い方をしなくなったし、持ち歩きも楽になって使いやすく、こちらも何年か使った。
年明け、2021年の手帳を見に行った。
行ったお店はたまたまほぼ日の品揃えが悪くまた出直そうか迷ったが、ふと、ほぼ日じゃなくてもいいか、と思った。
長いこと使ううちに憧れていた気持ちが薄れてしまっていた。気持ちが憧れから満足に変わり、気がついたらマンネリになってしまっている。正直weeksに変えたあたりでそれは何となく自覚していた。
そして、何年も見ないふりをしていたがほぼ日にはどうしても気に入らない部分があった。「日々のことば」というやつだ。ページの下にイトイ新聞からの一言が掲載されている。ずっとこれがいらないなと薄々感じていたが、他のユーザーに怒られそうで(交流もないのに)考えないふりを決め込んでいた。
書き込みたいことがあってページを開くと「日々のことば」が目に入る。これ面白いなあ・・・とか一瞬違うことを考えてしまい、何だか気が散るのだ。手帳なのだから自分の書く内容だけに集中したいのに。
特に仕事中に手帳を開いてこれがあると、大変申し訳ないが邪魔に感じてしまう。
自分はインプットが欲しいなら毎日短い言葉が何となく目に入るより、まとまった時間に長文で読みたいタイプなんだとわかった。
しばらく手帳の売り場をうろついていたが、結局全く知らない会社から出ている手帳を買い、使い始めて2週間ほどたった。ウィークリーページがついてほどほどに書き込め、巻末にメモ帳が挟める。ほぼ日手帳でなくなったことで困っていることは何一つない。
何より「日々のことば」が目に入らなくなったことで気が散ることもなくなった。
憧れから使い始めたところがあったので、ほぼ日に対して我慢しなきゃと言う気持ちがあったのかもしれない。なんだかスッキリした。
買うことはもうないかもしれないが、昔お世話になった恩師のように感じている。